乳首の痒みが治らない原因が実は“乳がん”!?「乳房パジェット病」という怖い病気

胸の病気

乳房パジェット病をご存じでしょうか?これは乳がんにふくまれる一種の病気です。しかし主に発生する症状が、乳頭や乳輪に湿疹やかゆみが出ることであるため、ただの皮膚炎だと間違われる場合があります。

今回は、この乳房パジェット病について詳しく紹介してきます。もし皮膚科で診療を受けていながら乳頭部の湿疹が治るのが遅いと感じた場合は、一度この乳房パジェット病を疑い乳腺外科を受診してみましょう。

乳房パジェット病とは?

早期乳がんの一種で、乳輪や乳頭にただれのような湿疹ができます。乳がん全体のうち約1%の割合でしか発症せず、非常に稀な病気です。中高年の女性に起こりやすいとされていますが、男性にも発症が見られるため注意が必要です。

乳頭の湿疹やただれでなかなか治らない場合は、乳房パジェット病の可能性もあるかもしれませんので、一度専門医に見てもらいましょう。

どんな症状が出る?

初期症状は、乳頭・乳輪周辺に赤褐色の湿疹ができ、軽いかゆみをともないます。初期の段階では境界がはっきりした軽い湿疹であるといいます。

その後進行すると、乳頭が赤く腫れかさぶたのようになったり、表皮を破壊しただれたりします。そして乳頭が無くなったり、乳輪が不明瞭になったりします。また乳輪を超えて病気が広がり、乳房全体が赤褐色の湿疹やただれで覆われていきます。

なお、乳がんの一種ではありますが、乳がんに特徴的な「しこり」がこの乳房パジェット病には見られません。

乳房以外にもパジェット病は発症する

乳房以外に発生するパジェット病は「乳房外パジェット病」といいます。これは皮膚がんの一種であり、外陰部や肛門、脇の下に主に発症します。

乳房外パジェット病は発見時、赤色や褐色のシミや湿疹の形状をしており、痛みやかゆみなどの症状があまり発生しません。そして発症部位も目につきにくく、デリケートな部分であるため、発見が遅れるケースも多く見られます。

病気が進行すると、進行するとシミや湿疹のような症状に、かさぶたやただれなどが発生してしこりを形成し、内臓やリンパ節に転移していきます。

乳房パジェット病の原因とは?

乳房パジェット病の原因はまだ明らかにされていません。しかし乳房以外の外陰部や脇の下にできる「乳房外パジェット病」は、汗を産出するアポクリセン汗腺などが多い部分に発生するため、汗腺などの細胞が悪性化してしまうことが原因ではないかと考えられています。

乳房パジェット病の診断方法

病理検査

乳房パジェット病の見た目はよくある皮膚炎とよく似ているため、診断を下すために病理検査が大体の場合行われます。

病理検査とは病変部の一部を採取して(生検をして)、顕微鏡で検査します。顕微鏡で詳しく検査した際に、パジェット細胞といわれるがん細胞が発見されると乳房パジェット病と診断されます。

全身のCT検査やMRI

乳房パジェット病と判断が確定すると、他のがんの場合と同様に、医師が診察と検査を行ってがんが転移していないかどうか調査します。他部位への転移の有無などを確認するには、全身のCT検査やMRIでの検査が行われます。

マンモグラフィ

マンモグラフィでは、乳頭付近あるいは乳房内の石灰化や腫瘤を確認します。

乳房パジェット病の治療方法とは?

乳房パジェット病の治療は、基本的に乳房切除手術を行います。病気の進行度合いを確認し切除を行います。

乳房パジェット病は乳頭に発生するため、乳頭や乳輪を残す乳房温存手術は難しくなっています。しかし乳頭と乳輪の部分切除を行い、放射線治療と組み合わせた乳房温存手術が可能な場合もあります。この場合、後日乳頭乳輪形成が行われます。

切除以外の治療方法として、放射線治療法や化学療法(抗がん剤治療)、レーザー治療などが存在します。しかし切除以外の治療は効果が個人ごとに差があるため、単独で行われることは少なく、外科治療後の補助療法として使われます。

まとめ

乳房パジェット病は初期症状が乳頭や乳輪の軽いかゆみや湿疹のため、皮膚疾患と間違えやすいといえます。しかし乳輪だけではなく、その周囲にも広がる症状が悪化する病気です。

発症率が少ない稀な乳がんの病気ですが、乳頭や乳輪のかゆみや湿疹が長引く場合は一度この病状を疑ってみましょう。そして、なるべく早めに専門医に受診するようにし、早期発見できるようにしましょう。

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