
乳頭がんっていうと胸の癌?いいえ、「甲状腺のがん」です!
胸の病気
皆さんは「乳頭がん」をご存じでしょうか。名前だけだと「胸部のがん」かと思う方が少なくないと思いますが、実は胸部ではなく「甲状腺がん」の一つです。
先日、アカデミー賞を受賞した韓国映画「パラサイト」に出演していた女優パク・ソダムさん(30)が公表したことで耳にした方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では甲状腺乳頭がんについて詳しく解説していきます。
甲状腺乳頭がんとは?
「甲状腺乳頭がん」は甲状腺にできるがんの一つです。甲状腺ホルモンを作る濾胞細胞から発生するがんで、甲状腺がんの約9割がこの種類のがんになります。[1]
甲状腺乳頭がんは顕微鏡で見ると、がん細胞が集まって「乳頭」のような形を作っていることからこのような名前が付けられましたが、乳がんとは関係ありません。
甲状腺乳頭がんの好発年齢は40~50歳代ですが、30歳未満の比較的若い世代から60代以上の世代まで幅広く発症します。
甲状腺乳頭がんの症状は?
主な症状は甲状腺にしこりができたり、リンパ節が腫れることです。稀に、喉の違和感や呼吸困難感、声のかすれ、圧迫感や血痰の症状が出ることがあります。気になる症状を感じたら、耳鼻咽喉科や内分泌外科がある医療機関を受診するようにしましょう。
甲状腺乳頭がんの生存率は?
このがんは、甲状腺周囲にリンパ節転移を起こしやすいのですが、遠くの臓器に転移することは多くありません。また、高分化がんのため非常にゆっくり進行する性質があり、早期で見つけて治療すれば予後も良いとされています。5年生存率は94.7 %と、他の部位のがんと比べて非常に良いとされています。
30歳以下のAYA世代にも発症するがんですが、一般的ながんと違い、年配の人よりも若い人の方が予後は良好なのがこのがんの特徴です。
しかし、ごく一部に、再発を繰り返す悪性度の高い乳頭癌がありますので、注意が必要です。
甲状腺乳頭がんのセルフチェック方法
甲状腺乳頭がんは自覚症状が少ないため、気付くまで時間がかかりがちですが、普段からセルフチェックを行うことで早期発見につなげることが可能です。
首に触れて、前頸部(甲状腺)や側頸部(リンパ節)にしこりがないか、また、長期にわたる声枯れはないか、飲食の際に頻繁にむせることがないかなどを、定期的に確認します。少しでも違和感を覚えたら医療機関で検査を行ましょう。
甲状腺乳頭がんの検査方法
甲状腺乳頭がんの検査は、まず甲状腺と頸部リンパ節の触診・超音波検査を行い、これらの検査で甲状腺がんが疑われる場合に、細胞診やCT、MRI検査などを行います。
先述したとおり、特徴的な細胞の姿をしているため、超音波検査や細胞診で診断はつきやすくなっています。
甲状腺乳頭がんの治療
甲状腺乳頭がんの治療方法は、がんの進行の程度や体の状態などから検討します。
外科手術、放射線治療、薬物療法(内分泌療法[ホルモン療法]、分子標的療法、化学療法)などがありますが、多くの場合は手術が標準治療となります。
手術には、甲状腺切除とリンパ節切除があります。甲状腺切除には甲状腺をすべて切り取る「全摘術」と甲状腺の一部を切り取る「葉切除術」の2つがあり、がんの大きさや転移の有無などによって手術法を決めます。
全摘術や甲状腺を半分以上切り取った場合は、甲状腺ホルモンがあまりでなくなることがありますが、甲状腺ホルモン剤を飲んで甲状腺ホルモンを補えば仕事や運動などに制限はないため、日常生活を送ることは十分可能です。
また、手術後は「放射性ヨード内用療法」を、補助療法として実施する場合があります。
まとめ
甲状腺乳頭がんは甲状腺にできる癌の一つで若い世代も罹患することがありますが、がんの進行速度はゆっくりなため、早期発見して適切な治療ができれば予後は良くなります。セルフチェックをして少しでも違和感を覚えたら専門の医療機関で検査して、早期発見できるように心がけましょう。
参照
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