
「乳腺炎」の詳細と予防方法|授乳期に母乳が溜まって炎症・発熱
胸の病気
目次
乳腺炎の基本情報
乳腺炎は、一般的に18才~50才に多く発生します。
主に授乳期に起こる病気ですが、授乳時期と関係のなく発症する場合もあります。 また乳腺炎には急性のものと慢性のものがあり、急性の乳腺炎の方が激しく症状が出ます。
急性乳腺炎について
急性乳腺炎は種類が2つあります。一つ目は、母乳が乳管内に溜まることで発症する「うっ滞性乳腺炎(急性停滞性乳腺炎)」です。二つ目は、その状態に感染が加わって発症する「急性化膿性乳腺炎」です。
急性うっ滞性乳腺炎
急性うっ滞性乳腺炎は、授乳期に母乳が乳腺内に溜まる(うっ滞)ことにより、炎症を引き起こす症状のことを指します。
症状としては、乳房全体が腫れて硬くなり、赤みなどを訴えます。乳房が熱を持ち、触ると痛みがあります。脇の下のリンパ節が腫れることもあります。発熱症状は見られません。 初産婦に多く見られる乳腺炎の種類であり、主に分娩後の1週間以内に症状が現れます。
母乳の通り道である乳管が開いていなかったり、産後1~2週間ごろ母乳の出がよくなるのに対し、赤ちゃんが母乳を飲む力が弱く母乳を上手く吸えなかったりすることで、母乳が溜まりがちになり発症します。
発症すると授乳中に痛みを伴いますが、授乳を止めると母乳が溜まってしまうため、さらに症状が悪化します。
急性化膿性乳腺炎
急性化膿性乳腺炎は、乳管や乳頭にできた傷から細菌に感染することにより、乳腺が炎症することで発症します。
感染する細菌は黄色ブドウ球菌が最も多く、連鎖球菌、大腸菌などもあります。急性うっ滞性乳腺炎から発症に繋がる場合もあります。
分娩後2週間以後に多く見られる症状であり、うっ滞性乳腺炎よりもさらに症状が強くなります。
引き起こされる症状として、乳房が赤く腫れ上がったり、強い痛みをともなったりします。また強いしこりを感じることもあります。
発熱症状もひどく、悪寒や全身の震えをともなうこともあります。インフルエンザに相当するくらいの倦怠感や発熱を感じた方もおられます。
さらには、腋窩リンパ節まで腫れや痛みが広がったり、乳房に膿の塊ができたりします。
急性乳腺炎の治療
授乳を中止し、抗生物質や解熱鎮痛剤・消炎剤による治療を行います。 炎症が持続して重症化したり、膿がひどく溜まっていたりする場合、皮膚を切開して膿を出す処置が必要な場合もあります。 抗菌薬を使用し続けると薬剤耐性菌感染の危険があるため、適切な切開で膿を出す治療は大切です。
母親が腫れや痛みで辛いのはもちろんですが、授乳をストップするということは赤ちゃんにとっても好ましくない状況です。できるだけ軽度な症状のうちに専門家に診察してもらい、早期に回復できるようにしましょう。
慢性乳腺炎は「授乳経験なしでも発症」
慢性乳腺炎は、細菌感染や化学的物理的な作用により、症状が長引く乳腺の病気といえます。授乳経験がなくても発症する場合があります。慢性乳腺炎には、乳輪下膿瘍と肉芽腫性乳腺炎の2つの種類の症状があります。
乳輪下膿瘍
乳輪下膿瘍は乳頭から細菌が入って感染を引き起こし、乳輪の下に痛みをともなう膿の塊ができる症状です。乳輪部の皮膚が赤くなる場合もあります。
治療は、患部の皮膚を切開して膿を取り出しますが、長期にわたって再発を繰り返すこともあります。喫煙との関与が強く疑われており、喫煙している方は禁煙を推奨されます。
肉芽腫性乳腺炎
これは難治性の乳腺炎であり、はっきりした原因は分かっていません。主な症状としては、乳輪以外の部分にしこりができたり、腋窩リンパ節が腫れあがったりします。
乳がんと誤診されることもしばしばあるようです。自己免疫疾患による原因が疑われており、完治が難しく再発をくり返すことも多くなっています。根気よく治療を続けることが大切になります。
陥没乳頭の方は乳腺炎発症のリスク大
陥没乳頭とは、バストの成長に合わせて乳管の成長が追いつかず、乳首が内側に引きこまれてしまう症状のことをいいます。 その他、乳首を支える線維組織が生まれながらにして未発達だったり、線維の癒着が起きることで乳首が内側へ引き込まれたりすることも、原因として存在しています。
日常生活に支障が出るような症状ではありませんが、重度の陥没乳頭の場合、乳腺炎を引き起こしやすくなったり、授乳が難しくなったりします。お悩みが深刻な際は、手術による改善を検討した方がよいでしょう。
陥没乳頭の治療方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。↓↓↓↓
乳腺炎の予防法①適度に搾乳する
授乳間隔が開いてしまった場合、飲み残してしまった場合はそのままにせず、適度に搾乳を行いましょう。搾乳機があれば楽ですが、無い場合は手で搾ります。
搾乳の際、搾りすぎると逆に母乳の分泌を促してしまい、赤ちゃんが飲む量とのバランスが悪くなる可能性があるため、おっぱいの張りが治まるくらいでストップしておきましょう。
乳腺炎の予防法②赤ちゃんが母乳を飲みやすい体勢にする
乳腺炎の主な原因は母乳が溜まってしまうことです。赤ちゃんに積極的に母乳を飲んでもらうことができれば、乳腺炎の予防に繋がります。
実はそれぞれの赤ちゃんによって、母乳が飲みやすい体勢が違うのはご存じですか?ここでは、一般的な4つの授乳体勢を紹介しますので、一度試してみて赤ちゃんがよく母乳を飲んでくれる体勢を見つけてみてくださいね。
①横抱き(クレードル)
これは最も一般的な授乳時の抱き方です。
方法
- ①お母さんは上体を起こして座ります。
- ②赤ちゃんを乳房の高さで抱き、授乳させる胸と同じ側の腕に赤ちゃんの頭を乗せます。すると腕全体で背中と首を支えることができます。
- ③反対側の腕と手で赤ちゃんの背中とお尻を支えてあげます。お母さんと赤ちゃんは胸と胸を合わせるような状態になり、赤ちゃんとお母さんのお腹が近くなるように寄せてあげると母乳が飲みやすくなります。
赤ちゃんの高さ調整やお母さんの腕をもたれさせるために、クッションを使用すると便利です。一般的な体勢ですが、まだ体がふにゃふにゃしている新生児期はあまり楽ではない授乳体勢です。
②交差横抱き(クロスクレードル)
方法
- ①お母さんは上体を起こして座ります。
- ②授乳する方の胸とは反対側の腕で赤ちゃんを支えます。(左の乳房から授乳する場合は、右手で赤ちゃんの後頭部を支え、右腕で背中からお尻を支えます。)
- ③もう片方の手は必要に応じてふくませる乳房の下に添えて、赤ちゃんが哺乳しやすいように整えてあげます。
横抱き同様、クッションを使用することで、ストレスなく飲ませることができます。この抱き方ですと、赤ちゃんの頭を支えて楽に乳房をふくませることができるので、新生児の赤ちゃんの授乳におすすめです。
③脇抱き(フットボール抱き)
方法
- ①お母さんが体を起こして座ります。
- ②飲ませる乳房と同じ側の脇で赤ちゃんを抱え、フットボールを抱くような体勢になります。
- ③赤ちゃんの体と足が腕の下に抱え込まれた体勢になり、お母さんの腕を枕にして授乳することができます。
この授乳体勢は、お母さんの胸や腹部に赤ちゃんの体重がかかりにくいため、帝王切開をしたお母さんに適しています。また低出生体重児や上手に乳房をふくむことができない赤ちゃんにも適しています。
そして、乳房の外側や下の方に残っている母乳が飲んでもらいやすくなるため、乳腺炎の予防・改善するのに最も効果的な授乳体勢と言われています。
④添い乳
方法
- ①お母さんが横になります。
- ②赤ちゃんと向き合うよう授乳します。お母さんは乳首と赤ちゃんの口の位置を合わせてあげましょう。
この姿勢は、赤ちゃんは布団に寝転んだまま母乳を飲むことができます。また、お母さんに赤ちゃんの体の重みかかりにくいため、帝王切開をしたお母さんに適しています。
ただ、この授乳姿勢で眠ってしまうと、気づかないうちに赤ちゃんを押しつぶし窒息させてしまう恐れがあります。危険を念頭に置き、授乳を行いましょう。
まとめ
以上乳腺炎について詳しく説明してきました。授乳時期に主に発生するバストのトラブルであり、授乳のタイミングや飲み残しに注意して、発症しないように気を付けていきましょう。
因みに、授乳期に栄養価の高い母乳するために、お母さんにとって欲しい栄養素についてこちらの記事で紹介しています。ぜひこちらの記事も読んでみてくださいね!↓↓↓↓
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